中国語のリスニングと文章を読むことの違いを理解する


中国語の基本的な学習分野は4つあります。聞く・話す・読む・書くです。

聞く/読むの2つはインプットの作業になりますが、どちらが難しいでしょうか?日本人の学習者であれば十中八九「聞く」と答えるに違いありません。

では聞く・読むの作業のどこが異なるか分析してみましょう。

聞く作業は「耳」を用いて情報を取り入れる

中国語を聞く上で必要な感覚器官は耳になります。聴覚を用いて情報を取り入れるのはなぜ難しいのでしょうか?

例えば中国人と会話しているところをイメージしてみてください。相手はよどみなく中国語を用いて話しかけてきます。耳から脳に入り言語の理解へとつながります。

この過程で中国語に対する受容量が少ないと、耳は単に「音」としか捉えることができず、脳の理解の部分にまで達しません。しかし会話の場合は巻き戻しができないので、次々とこぼれ落ちてしまいます。

「さっき何て言ったかな?」とは戻れないわけなのです。

この部分がリスニングを難しくさせる理由です。

リスニングの授業やテストなどで自分が分からない言葉が出てきた時はどうでしょうか。脳がその単語やセンテンスを一心に理解しようと力を傾けるばかり、その後の文章は全く聞き取れないという現象が起きます。

つまり会話の性質上、時間を元に戻すことができないのと脳の受容量が少ないとそれ以上は言語の理解に達し得ないのが「耳」から情報を入れることの難しさを示しています。

これを踏まえて次は「読む」点を考えてみましょう。

読む作業は「目」を用いて情報を取り入れる-時間の巻き戻しが可能

読む作業は目を通して情報を取り入れます。例えばリーディングの授業やテストでは文章を読んでそこから質問に答えたり要点を書き出す仕組みになっています。

リスニングと大きく異なる点は「情報の巻き戻しが可能」という点です。ひと通り文章を読んで理解しづらい部分があればもう一度読んで確認することができるからです。

つまり情報を繰り返し取り入れることで脳の理解に対する精度を高めることができるわけです。その上日本人は漢字に通じており、なおかつ中国語の書面語は日本語と意味が同じだったり似ているものが多いのです。

この理由からも日本人の中国語学習者はリーディングが得意ですがリスニングは苦手なのです。しかしこの点を理解していればどうやって耳から情報を取り入れるか、つまりリスニングの能力を向上できるかが理解できてきます。

次はさらにその点に踏み込んでみましょう。

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