日本人の中国語学習者が発音を苦手とする理由
中国語学習者の多くが発音を苦手としています。私もかつては「発音は最初で最大の難関」と感じるほど難しかった経験があります。
最近会った友人も中国語を学習し始めて間もないようですが発音に苦戦しているようです。自分自身の経験と観察を含めて苦手な理由を考察します。ここから改善のヒントを得ていただければ嬉しく思います。
四声は難しいイメージがある-継続的な努力は必要
中国語をこれから学びたいけれど躊躇している人が語る言葉のほとんどが「中国語って四声があって難しいんでしょ」というものです。言い換えるならば「四声を覚えるのって大変」ともとらえることができます。
日本語では中国語のような独特の声調がないので発音はさほど問題になりません。(アクセントはあるが一応は伝わる)中国語はこの声調が違うと言葉が全く通じないので覚えるのが必須です。
しかし日本語よりも母音と子音の組み合わせは多く、なおかつ四声を覚えるとなると四倍の努力が必要になってくると感じるのでしょう。(実際は日常で使う発音は全てではない)
中国語の発音は最初にある程度覚えてから文法や会話表現を学びつつ発音にも注意を向けてゆくのがおすすめの学び方ですが、日本人からすると独特の「声調」が苦手意識を持たせるものになっています。
漢字を知っていることの足かせ-学習の比重を考える
日本人は漢字を知っているので他の国の中国語学習者よりもはるかに有利な立場にいます。しかしその部分が「分かったつもり」の状態を生み出して発音への学習の比重を下げてしまうことにもつながります。
確かに中国語の入門・初級テキストを見ると、中国語を学んだことのない人でもある程度の意味を理解することができます。しかし同じ内容の音声CDを聞いてみると・・さっぱり分かりません。
この点から分かるように、日本人の学習者にとって中国語は「目から」情報を取り入れるのは容易ですが「耳から」音声を聞き取るのは難しいのです。もし漢字重視で学習を進めていくと、進捗度の割には「聞き取れない、話せない」自分がいるので容易に挫折につながります。
学習の目的にもよりますがバランスよく能力を上げたいのであれば始めの数ヶ月間は発音に比重をおきながら学習を進めてゆくくらいが丁度良いと思います。
日本人からすると中国語の発音は確かに「異質」のものです。漢字を知ってるのでなおさらギャップを感じるかもしれません。しかし時間をとって丁寧に学んでゆけば習得できるので最初の時期の努力は大切です。