中国語のスピーキングと口語/書面語の関係について


中国語のスピーキングは言葉を用いてのコミュニケーションになります。

聞き手からすると「耳」を通して情報を取り入れることになります。これは文字を読むことの「目」を通しての情報とは異なります。この点にコミュニケーションの注意点があるのです。

“耳慣れない”言葉を用いても相手には通じない

スピーキング能力を向上させる段階で注意したいのが用いる言葉の種類です。中国語には口語と書面語の二種類があります。

口語というのはいわゆる「話し言葉」で日常会話で用いるためのものです。それに対して書面語と言うのは本や文章で用いるためのもので、「目」を通しての情報です。

日本人は漢字を多く知っており中国語の書面語と意味が同じものもあるので会話の中でつい用いてしまうことがありますが相手には伝わらないことがあります。

それは話し言葉ではないので、本来は「目」を通して入ってくるものなのです。

私の印象としてはHSKより中国語検定試験の方が書面語の趣きが強いと感じています。それで今まで中検の対策中心に学習を勧めてきた方が中国人とコミュニケーションを取る時には注意して口語を用いるようにしましょう。

別の点としては接する中国人の中にも文化や教育的な差異があるということです。教育背景の高い人たちであれば書面語的なコミュニケーションでも通じることがあります。

さらに相手の中国人が私たち学習者をどのように見ているかという点も関係してきます。相手が学習者のことを「初級者」と見ているならば、書面語を用いて言葉を発することを意外に感じて相手も聞き逃してしまうことがあります。

結局のところスピーキングもコミュニケーションの手段なので相手とよく知り合うことが大切です。教育背景の高い方であれば多少書面語を使ってもこちらに慣れてくれるのでさほど問題にはなりません。

チャットであれば書面語を使っても問題ない

一方、SNSを使ったチャットで中国語を用いることがあるかもしれません。この場合には書面語を使っても全く問題はありません。

なぜでしょうか?

確かにチャットは「おしゃべり」ですが、相手は「目」を通して中国語を識別できるので書面語でもきちんと通じるわけなのです。もちろん軽いおしゃべりをするだけなら書面語を使うことも少ないと思いますが・・

まとめとして

相手とコミュニケーションを図る際に必ずしも「書面語はNG」という訳ではありません。

大事なのは「自分の言葉を相手がどのように受け止めるか」なのです。この点を意識するならばどんな相手にどんな言葉を用いて話せば良いのかは自ずと見えてくるでしょう。

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